ジュエリースタジオMASHIROのオイルインクォーツ宝石画像  

 

 

宝石(ほうせき)とは、希少性が高く美しい外観を有する固形物のこと。一般的に、外観が美しく、アクセサリーなどに使用される鉱物を言う。(出典:wikipedia

 

 

いつもありがとうございます。

MASHIROスタジオディレクターのKUROです。

 

今回は宝石とは何か?という壮大にも思えるテーマについて投稿したいと思います。

 

全てを1つの記事にするには途方もない情報なので、何回かに分けてご紹介したいと思います。

 


唐突ですが、皆さんは宝石とは??と聞かれてどう答えるでしょうか??

 

多くの方が、「希少性を極めた、高価なもの」「透明度が高く美しく輝く石」などのイメージを持たれているかと思います。

 

それは間違いではありません。希少性が高く高級な側面も、煌びやかな輝きも宝石の魅力です。

 

しかし、「金銭的価値」や「希少性」というのは、宝石という素材の魅力や定義における1つの面でしかありません。

 

宝石は、紀元前という古代から人の生活や社会と関わってきたもの。その魅力や価値の側面は、長い歴史の中で多様性を持っています。

 

よく私自身もたくさんの方からこんなご質問をいただきます。

 

「宝石とそうでない石は何が違うの??」

 

結論から申し上げると、本質的な違いはありません。

 

え?となってしまうかもしれませんが、その理由についてご紹介をします。

 

宝石とは元々、

 

たまたま人が他の石とは異なる表情を持つ石と出会い、収集したもの。

たまたま発見した石に何かを感じて御守りとして活用したり、 崇めたりするもの。

 

といった鉱物との偶然の出会いから始まったものでもあります。

 

川辺を散歩している時、たくさんの石がありますよね。その中に、時々他の石とは違った表情や、色や形を持つものと出会うことがあります。

 

幼い頃の私も、キャンプ場を散策していて偶然素敵な石と出会い、宝石だと喜んで集めていたことがあります。

 

宝石と人との出会いは、そんな私たちが出会う石と同じルーツを持ちます。偶然出会い、出会った石にときめきを感じたら、それは宝石との出会いと呼べるわけです。

 

とはいえ、例えば道端に転がっていた石を宝石と呼ぶのは、いくらそれにときめきを感じたとしても異なるように感じる方が多いでしょう。

 

これらはあくまで原点的な話。

 

宝石には広い意味や多様な価値があり、何を宝石とするかは人それぞれ自由ということをお伝えしたいです。

 

実際に何をもって宝石という定義にするかは、世界的に曖昧で決まってはいません。

 

業界的には、こんな1つの呼称分別があったりします。

 

1. 貴石

主に四大宝石と呼ばれている、「ダイヤ・エメラルド・ルビー・サファイア」を貴石として呼称していることが多いです。もちろん五大宝石〜といった概念もあり、定義ではありません。

 

2. 半貴石

上記〜大宝石以外を全て半貴石と呼称します。

例えばガーネットや、トルマリンなどは貴石ではなく半貴石といった概念です。

 

もしくは業界より少し広いコミュニティ、石好きな方の中では下記のような定義で呼んでいることもあります。

 

1. 宝石

〜大宝石などに該当する。著しく金銭的価値が高い宝石等。

 

2. 天然石

上記のいわゆる宝石以外。

 

 

買取専門店や質屋にいったら、前提的に値段をつけて買い取ってもらえるものを宝石と呼ぶ。といった方もいらっしゃいます。

 

つまり、定義が確立されておらず混沌としているんですね。

 

私は、これに関して1つの結論を出しています。

それは、「鉱物か宝石か」。という定義です。

 

 

貴石と半貴石。もはや何をもって価値があるかは多様です。

 

例えばダイヤモンドだからといって価値が高いわけではありません。

 

ダイヤモンドにも工業用に使用される個体もあれば、装飾用に使用されるメレダイヤモンドと称される小粒のダイヤモンド、さらにはいわゆる半貴石よりも格安で入手できる個体もあります。

 

原則として、そもそも種類で価値は決まらないのです。であれば、貴石と半貴石という分け方は意味をなくします。

 

実際、ダイヤモンドは人工的に本物を自由に作れるようになったわけですし。

 

いわゆる半貴石、天然石として分別されていた石も、ユニークな表情を持っていてコレクターの目にとまれば、とてつもない価値で取引されることもあります。

 

宝石は商業的な側面もありますが、芸術的な側面が強いものでもあるわけです。

 

さらに、宝石というのは鉱物が研磨されて生まれる作品であるということ。

 

正直、鉱物として原石が発掘された状態の見た目は、皆さんが想像するような宝石とは全くの別物です。

 

鉱物発掘

カット・研磨(1つの鉱物・原石から複数の宝石へ分けられることがほとんど)

宝石になる

 

わけですから、分別の定義は「鉱物か宝石か」の2択でいいと思います。

 

 

鉱物から研磨され流通した時点で、人間社会に何かしらの側面で価値があるとみなされているわけですから。

 

研磨されずにそのままな状態であれば、鉱物。

これを収集する場合は、鉱物収集ということになります。

 

鉱物が研磨・加工された作品は、宝石。

これを収集する場合は、宝石収集ということに。

 

分かりやすくないですか??

 

もちろん無限に広がる宝石や鉱物の世界。まだまだ解明されていないこともあれば、これから新しい発見もあることでしょう。

 

宝石にも色々あるから、貴石と半貴石・宝石と天然石で分けるべきだ。というご意見もあるでしょう。それも理解はできます。

 

しかし、そんな混沌とした議論って、誰にメリットがあるのだろう??と私は考えるわけです。

 

ないんですよね。デメリットはたくさんあると思います。

 

まず1つ。鉱物たちです。

人が勝手に価値を作って、定義を作ってしまうことによって陽の目を浴びづらい鉱物が生まれてしまいますよね。

 

たとえば婚約指輪はダイヤモンドでなくても良いわけですが、コマーシャル的にダイヤモンドが人気になってしまいます。(ダイヤモンドも魅力的な宝石の1つであることに変わりはありません)

 

そうなると必然的に、みなさんとさまざまな鉱物や宝石との接触機会と選択肢が非常に狭くなってしまいます。

 

2つ目。無意味な障壁を作ってしまうこと。

つまり、敬遠されてしまいがちになるということです。

 

宝石店と聞くと、ほとんどの方が構えてしまうのではないでしょうか?

それって提供者にとっても皆さんにとってもデメリット。

 

宝石店って博物館なんです。

 

世界中のいろいろな鉱物や悠久の時・歴史を身近に感じられるお店なんですね。

 

でも変に定義を作ってしまえば、宝石って高いから・・・という理由などで敬遠されてしまいます。

 

実際、宝石店に日常から足を運ぶのってかなりの勇気がいりますよね。

 

でも宝石や鉱物の博物展は連日賑わっています。

 

宝石の定義を広く見れば、誰もが関わることができます。

私はそうあるべきだと思います。

 

だってこんなに素敵で面白くて、飽きない世界はなかなかないですからね。(笑)

 

貴石、半貴石。

宝石、天然石。

 

二つに分けてしまえるほど宝石や鉱物の世界は甘くありません。笑

 

分けるなら極論ですが、「高いものだけを扱う宝石店」「お小遣いで買える宝石店」といった方がわかりやすいと思うんですよね。

 

いかがでしょうか。

 

もしよろしければ、MASHIROのインスタDMなどで皆さんのご意見などもいただけたら嬉しいです。

 

さて、今回の結論です。

 

宝石とは、

 

  1. 自然から発掘発見された鉱物という素材から
  2. 研磨・カットされて
  3. 当事者が流通させたい
  4. もしくはコレクションしたい

 

と思った石全てである。

 

 

宝石とは何か。(その2)

では、宝石に対して人が感じる魅力の多様性について語りたいと思います。

 

いつもありがとうございます。

皆さんの生活が、豊かに輝きを放ちますように。

 

素晴らしい1日を。

それでは、また。

 

 

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5月 31, 2023
タグ: ダイアリー