いつもありがとうございます。
MASHIROスタジオディレクターのKUROです。
今回は前回に引き続き、宝石とは何か?についてのポストです。
前回の記事「宝石とは何か。(その1)」では、宝石とはそもそもどんな定義なのかについて投稿させていただきました。
今回の記事では、「宝石に対して人が感じる魅力の多様性」について語りたいと思います。
宝石と人との関係性。
宝石に感じる魅力というのは人それぞれ多様に存在します。
大きく分けて下記のような魅力といえるでしょう。
- 宝石に対する金銭的価値
- 宝石の持つ類稀な美しさや輝き
- 宝石それぞれが持つユニークな個性
- 宝石の持つ意味やストーリーへの共鳴
- 宝石の持つ意味への願い
- 宝石と出会った時のストーリー性
宝石の魅力は、ただ美しく希少で高級な存在だからだけではありません。それらはあくまで宝石に対して感じる、宝石の持つ魅力の一つなのです。
1. 宝石に対する金銭的価値
希少性が高く、世界的にその希少性に対して相場がある程度定められ、安定して高額な取引ができる宝石たちが存在します。
宝石1石で数百億なんて価格が付けられることもあります。宝石と金銭的価値については、常に色々なニュースが飛び交っています。
そして、そんな宝石が持つ高級感や、資産的価値について積極的に訴求するコマーシャルも多くあります。
例えばダイヤモンドの指輪といえば、誰もが憧れるような存在としてイメージ付けられています。
実際日本国内において、婚約指輪で選ばれる宝石のほとんどはダイヤモンド。そしてその理由としては、一生物の価値であったり、資産価値的側面が非常に多いです。
面白いことにほとんどのケースでは、色々な宝石を選択肢に入れずに、ダイヤモンドだけを検討することが多いというデータもあります。
これらは宝石の魅力を、希少性や金銭的価値として感じているわけです。そしてそれは宝石の持つ魅力の一つでもあります。
デメリットとしては、宝石の持つほとんどの魅力的な側面を知らずに関わってしまうこと。
実際、金銭的価値に魅力を感じて購入された方に、色々な宝石の選択肢をお見せすると、もっと色々と選ぶのを楽しめばよかったと答えられる方が多いのも事実ではあります。
2. 宝石の持つ類稀な美しさや輝き
宝石の持つ美しい輝きや色に対して魅力を感じる。ケースとしては分けましたが、宝石の持つ最たる魅力の1つであるといえます。
前項の金銭的価値に魅力を感じられる方も、実際に宝石自体が美しい輝きを放っていたり、美しい色味を持っていなければ魅力を最後まで感じることはないはずです。
そもそも宝石というのは、原石となる鉱物が研磨された状態のこと。ほとんどの宝石は原石そのままでは輝きを放っていません。
それに美しい輝きを放っている宝石でも、その金銭的価値はピンキリ。比較的安価に美しい輝きと触れることができる宝石もありますし、かなり予算を割かないと厳しい宝石もあります。
何はともあれ、宝石に対して最も魅力を感じるポイントが、宝石の輝きであり美しさであると答える方は非常に多いといえるでしょう。
3. 宝石それぞれが持つユニークな個性
宝石の魅力を、金銭的・資産的価値ではなく、美しい輝きという目線でもなく、その宝石がいかにユニークな個性を持っているかどうかで感じるケースです。
希少性や、高いかどうかではなく、たまたま出会った宝石がすごく個性的な表情を持っていて惹かれた。というケースですね。
これは宝石の根源的魅力であり、大切な側面であると思います。
宝石とは、元となる鉱物と人との出会いに起因します。
宝石以前に、鉱物との出会いがあったか。その鉱物に人が魅力を感じたかどうかで、宝石として流通することが決まるからです。
宝石の歴史は紀元前という遥か昔に遡ります。
当然宝石へと磨く歴史からスタートはしていません。偶然出会った石(鉱物)に当時の人が普通の石では感じ得ないユニークな個性的な何かを感じたきっかけがあったわけです。
そんな鉱物が宝石となるわけですから、宝石の持つ個性やユニークさに惹かれて魅力を感じるというのは自然的なことですし、本来の宝石の魅力であるといえます。
例えばダイヤモンドは白く美しい輝きを持つ宝石ですが、一定のクラスを上回ると同じ大きさの個体間での違いは生まれません。(同じ1カラットで同じクラスのダイヤモンドだと、見た目は全く一緒だからです)
しかしカラーダイヤモンドと呼ばれるダイヤモンドたちは一転して、個性そのものな宝石となります。1つとして同じものはなく、内包物や色の表情が組み合わさって1つのアート作品のようになります。
これはダイヤモンドに限ったことではなく、全ての鉱物種(宝石種)に対していえることです。
もう2度と肉眼で同じものには出会えない。その個体だけが持つユニークな個性に魅力を感じる。
宝石を語る上で欠かせない魅力の一つと言えるでしょう。
4. 宝石の持つ意味やストーリーへの共鳴
宝石にはそれぞれに意味や、ストーリーが存在します。
宝石は紀元前から(ヨーロッパだと紀元前3000年前から)、人々と関わってきました。
人との歴史から生まれた意味やストーリーが数多く存在し、それらがご自身の人生やライフスタイルに必要な意味だったり、求めているストーリーであった場合に魅力を感じる方も多いです。
例えばエメラルドは、紀元前4000年前から関わりのある宝石ですが、夫婦愛をもたらすとされてきたり、目を癒す効果があるとして愛されてきた背景があります。
夫婦の記念品として宝石を選ぶ場合、エメラルドの持つ夫婦愛という意味に魅力を感じて選んだり。
愛でみて癒されたいと思う方であれば、エメラルドの色が持つ癒しの意味に魅力を感じたりするでしょう。
宝石がそれぞれに持つ意味やストーリーに魅力を感じて選ぶことは、非常に素晴らしい入り方だといえます。
5. 宝石の持つ意味への願い
前項と少し被りますが、自分の叶えたい願いに対して、それを叶えてくれる意味を持つ宝石に魅力を感じられる方も多いでしょう。
例えば仕事のプロジェクトを成功させたい。事業で成功したい。財をなしたい。という願いを強く持つ方にも人気な、「ゴールドルチルクォーツ」という宝石があります。
金針が内包された美しい宝石ですが、その色味や表情から「財運」の意味を持ち愛されています。
今叶えたい、将来叶えたい目標や夢に対してマッチングする意味の宝石を選ぶのも宝石選びの魅力の一つです。
6. 宝石と出会った時のストーリー性
宝石と出会った時のストーリーから、その宝石に魅力を感じるようになった方も多いでしょう。
初めて恋人からもらった宝石。
母や祖母から受け継いだ宝石。
母の日に子供たちからプレゼントされた宝石。
社会人になって初めてジュエリーを買った時に宝石。
など、それがどんな宝石であれ、思い出になると思います。
実はこの魅力的側面が宝石への入り口として一番多いのではないかと思います。宝石が大好きな方も、宝石との接点やそこで体験したストーリーなどがきっかけだった人も多いと思います。
私は、祖母から大粒のルビーを受け継いだのですが、それ以来赤色の宝石やルビーが大好きな宝石になりました。
初めて恋人に贈ったのは、ダイヤモンドのネックレス。小粒でしたが、思い出深いものがあり、今でもダイヤモンドは好きな宝石の一つ。
ただ無色透明のダイヤモンドは合成ダイヤで量産可能になってしまったので、最近はユニークなカラーダイヤモンドに魅力を感じていたりします。
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これらのように、宝石には多種多様な魅力が存在します。
そして人それぞれに宝石に対して感じる魅力や、宝石を好きになるきっかけも異なります。
宝石は人々と紀元前から関わってきた存在。
宝石と聞くと特別感ばかりが先行してしまいがちですが、宝石は本来身近な存在でもあるのです。
高級さや希少性も宝石が持つ魅力の一つではあります。
しかしその宝石が高いか安いかよりも、その宝石に何を感じるか。ということが重要だと思います。
どんな高級で高額な資産価値を持つ宝石も、特別な思い出のある宝石の価値にはかないません。
ぜひみなさんも、宝石の持つ多種多様な魅力から、自由に感じるがままに関わってみてはいかがでしょう。
自分が感じたもの。誰かへの想いを伝える手段として。
宝石は、人生の素晴らしいパートナーになってくれると思います。
ご覧いただき、ありがとうございます。
皆さんの生活が、豊かに輝きを放ちますように。
素晴らしい1日を。
それでは、また。